レイヤードアゲイドの自然な色の変化を生かした珍しい6層のカメオ。
- 商品番号 /C4025X
- 年 代 / 19世紀後期頃
- 国 名 / フランス
- サ イ ズ / 幅:50.7mm 横:36mm 厚さ:15.3mm
- 素 材 / サードニクス、18金
私もこれまでたくさんのストーンカメオを見てきましたが、6層彫りというのは初めてかもしれません。
瑪瑙は水晶の一種であり、そこに不純物が入ることにより色に変化が生まれます。洞窟で水滴が垂れていく中で形成されていくことをイメージしてもらえればと思います。1cm成長するのに100年かかると言われるように、ゆっくりとした成形過程で瑪瑙に層ごとに色の変化が生まれたものです。
このカメオに使われているものは、白とこげ茶、黒と積層になった瑪瑙です。地色の層は漆黒のオニキスで光を透かしません。裏を見ると、3013と上部に彫られた数字が並んでいますが、これは工房での作品番号もしくは昔々にオークション会社が彫った番号でしょう。
オニキスとはサードニクスからその名が来ており、サードオニックスがオニキスになったものです。サードニクスの漆黒の光を通さないものをオニキスとやがて呼ぶようになったのです。
オニキスを使ったカメオは瑪瑙カメオの中でも最も人気があります。やはり白と黒のコントラストがモチーフをはっきりと浮かび上がらせてくれることと、モノトーンの色合いはお洋服に合わせ易いからでしょう。
彫りを見ていくと、頭部には小さな五つの丸い球が並んでおり、そのうちの二つは一番上層の白い層になっています。さらにこげ茶、白、こげ茶と髪の毛の上で重なり、肌と髪の毛の大半は白い層になっています。背景は黒のオニキスの層になっています。
色の変化を生かした積層カメオを生かすようにフレームはシンプルな18金枠となっています。針の受けと針の根元付近には鷲の横顔の刻印が打たれています。1838年から使用されているフランス製の18金を示す刻印です。受けにはもう一つ恐らくメーカーズマークであろう刻印も見られます。
最近は本当に見かけることが少なくなった5センチ以上の存在感のあるカメオです。色合いがシックなため、柄物などにも合わしてお楽しみいただけると思います。
希少な6層彫りのカメオ、これから本当に出会うことは少ないでしょう。