ヴィクトリア女王カメオブローチ 銀座アンティーク・アイ

オリジナルボックスに収納されたヴィクトリア女王のポートレートカメオ

• 商品番号 /C4038X
• 年 代 / 19世紀中期頃
• 国 名 / イタリアもしくはイギリス
• サ イ ズ / 縦：61.1m　横：54.5mm　厚さ：12.3mm
• 素 材 /  コロニアル貝、金

写実的に彫り上げられたヴィクトリア女王の横顔を見事に表現したカメオです。

18世紀から19世紀にかけてのカメオが隆盛を極めた時代、ナポレオンを始め、王や貴族は臣下や友人に自らの肖像を彫らしたカメオを贈ることがありました。

ナポレオンが流刑地であるセントヘレナ島からたくさんの書籍を送ってくれた者に、御礼として自らの肖像をモチーフとしたカメオを贈った話は有名です。

同様に女王も臣下に自らの肖像を家臣に分け与えたのでしょう。他の神話上の女神をモチーフとした多くのカメオとは写実性に明らかな違いがあります。写真が普及していなかったこの時代、カメオやミニアチュールが写真の代わりを果たしました。それだからこそ、ここまで生きているように彫り上げられたのでしょう。

頬の柔らかな質感が伝わるような滑らかな彫りや特徴的な花の形、権威を感じさせる目の表情、少し開いた唇、髪から覗く耳、三層目のオレンジの層をうまく生かした垂れ下がる巻き毛。全てが生命感が宿るように彫られており、作られた当時の女王の姿を正確に伝えてくれています。

女王がイタリアのサリーニなどに自らの肖像カメオを発注していたのは有名ですが、イギリス国内に呼びせられた職人たちも女王や貴族たちの発注に応えていました。恐らく、素材がストーンではなく、シェルであることから、イタリアに発注され、肖像画を基に彫られた物でしょう。

状態も良好で僅かに貝の層が状に三つ程小さな線となって出ているだけです。背景のコロニアル貝の色合いもグラデーションが美しく、右上が濃く左側下部に行くに従い薄くなっています。表面はモチーフも背景も滑らかに磨き上げられています。

フレームは金のレポゼワークであり、裏側もしっかりと覆われています。針はフレーム同様に金で作られており、受けはストッパーの付いた物に交換されており、安心してご使用いただけます。

カメオが収納されている箱はオリジナルボックスであり、内蓋は中央に小さな穴があり中の綿が見えシルクが使われています。台座部分にはビロードが敷かれカメオの形に合わした凹みがありしっかりと収まるようになっています。閉じた時のフックは無くなっています。こうした箱が残っていたため、非常に状態が良く残っていたのでしょう。

若かりしヴィクトリア女王の横顔には威厳が感じられ、大英帝国が最も栄えた時代の逸品であったことが伝わってきます。