マルスカメオブローチ 銀座アンティーク・アイ

強さと柔らかさが同居した男神の姿

• 商品番号 / C2000V
• 年 代 / 19世紀後期
• 国 名 / イタリア
• サ イ ズ / 縦34.5mm 横28.6mm 厚み6.9mm(ピンを含めて10.5mm)
• 素 材 / サルドニア貝、9金

軍神として名高いローマ神話のマルスをモチーフにしたカメオです。

ギリシャ神話におけるアレスと同一視されていますが、マルスのほうが、より理想的な軍人の象徴とされており、また彼はローマ帝国を建国したロムルスの父とされていることから国家の守護神ともみなされていました。

このカメオにおいても、ひげを豊かにたくわえ、兜をかぶり、鎧を身に付けた、勇猛な兵隊長の姿として描かれています。

この兜はローマ軍の隊長以上の身分の者が身に付けられたもので特徴的な頭頂部の「とさか」は馬の毛でできており赤く染められていたといわれています。
このカメオにおいては、兜部は彫りを施さないことによって金属の質感をだしていて、それとは対照的に「とさか」はしなやかさに、柔らかく表現されています。

格子状の鎧の上からはドレープの豊かなマントをまとっており、威厳のある雰囲気を醸し出すのに一役買っています。

枠はシンプルな縄目で取り囲んだものです。その縄目に編まれた２本の金線自体が一度に編まれたものの為、細かく筋が入っています。
それ故おのずとマットな質感となっており、重厚感のあるカメオの雰囲気とマッチしています。

なお、ピンは後の時代に付け替えられたもので風車型の留め具となっているので、落下の恐れもありません。

男神の風格のある落ち着いた雰囲気の作品です。