桃色の色合いが心を和ませてくれる豊穣と酒の女神バッカスの巫女をモチーフとしたカメオ
- 商品番号 /C4034V
- 年 代 / 19世紀後期頃
- 国 名 / イタリア
- サ イ ズ / 縦:52.1m 横:42.6mm 厚さ:14.3mm
- 素 材 / コンク貝、真鍮にGP
コンク貝はカリブ海で採れる大きな巻貝であり、現在は採取が制限されていますが、乱獲で各地で生息数が減少しています。19世紀のカメオではコロニアル貝、サルドニア貝に次いで好まれた貝でしたが、最近はイギリスを始め、ヨーロッパでもコンクカメオを見かけることが本当に少なくなりました。まして、こうしてコロナでヨーロッパに行くことができなくなった現在、送られてくるもの中には一つもコンクカメオはありませんでした。
当店にある中でも最後のコンクカメオです。
もともと成長すると大型になるコンク貝は貝に厚みもあるため、このカメオもかなり立体的です。その分厚さを生かし、頭部の葡萄は彫りが深く、豊かな実りが感じられます。コンク貝はサルドニア貝やコロニアル貝に比べ、色のコントラストが強くないのですが、彫りが深いことにより、陰影が生まれ、女神に生き生きとした生命力を吹き込んでくれているようです。
バッカスの巫女であるバカンテはお酒つまりワインを象徴します。そのため、ほんのりとピンク色がかった頬はまるで、ワインで顔色が赤く色付いたようであり、バカンテというモチーフにコンク貝はしっくときます。首下はコンクパールのネックレスで飾り付けているようにも映ります。
フレームはヴィクトリア時代後期に流行った幾つかの輪を組み合わした鎖を巻き付けた装飾です。ゴールドプレートが施されており、9金のような色合いになっています。その渋い色合いがコンクカメオの柔らかな色調を引き立ててくれています。
顔の表情も淑やかな上品さが感じられます。色合いが優しいため、一般的なカメオよりも身に着け易いでしょう。
厚みと色合いのバランスが良いカメオです。