エドワーディアンスタイルとアールヌーヴォーが融合した左右対称と曲線美を兼ね備えた作品。
- 商品番号 /B4042V
- 年 代 / 1900年代頃
- 国 名 / イギリス
- サ イ ズ / 縦:23.5mm 横:32.1mm 厚さ:7.4mm
- 素 材 / トルコ石、15金
鮮やかな空色のトルコ石が映えるブローチです。白い天然真珠と15金の金色によりトルコ石のブルーがより引き立てられています。1900年頃にはそれまでのヴィクトリア時代の重厚なデザインから繊細なデザインの物へとジュエリーの傾向が変わり始めました。そこにアールヌーヴォーの影響で具象化した植物のような曲線美が加えられています。
トルコ石の花にリボンが巻き付いているようなデザインに見えます。三つのトルコ石を支える茎の部分はナイフエッジになっており、非常に細い線となっていますが、裏側はしっかりと強度を保てる太さになっています。その間から左右に伸びるパールがセットされた台座は葉のようです。さらに外周を囲むパールがセットされた曲線を帯びた台座は折り返された部分や先端の形からリボンのように映ります。
トルコ石はよく見るとそれぞれ微妙に色が異なりますが、淡い空色の物が使われています。部分的にトルコ石の茶色層があり、練り物ではないことが判ります。
それぞれのトルコ石は小さな粒のミルによるミル留めでセッティングされています。また、パールはすり鉢状に彫られた溝に入れられ丁寧に爪留めされています。こうした作りをみてもジュエリーが丁寧に作られていることが伝わってきます。
トルコ石の裏側はオープンセッティングになっていますが、その他の部分は金でしっかりと覆っています。左右のトルコ石をセットした金の部分と葉の部分はブリッジワークといわれる太鼓橋のような構造で繫がれています。これは表側から見た時に繋ぎが見えにくいようにしながら全体の強度を増すためのもので、エドワーディアン期の特徴的な技法の一つです。右下部分に15金の刻印である「15CT」が打たれていますが、「T 」はスペースの問題で打たれておらず、「15C」だけが確認できます。
アールヌーヴォーならではの優美な曲線が美しいブローチです。さり気なく使い易い作品です。