貴婦人像ストーンカメオ 銀座アンティーク・アイ

細密で手の込んだ古典的な枠が特徴のカメオ

• 商品番号 /C4020X
• 年 代 / 1860年頃
• 国 名 / 推定イタリア
• サ イ ズ / 縦：43.3mm 横：38.2mm 厚さ：10.8mm(留め具を除き） 
• 素 材 / サードニクス、金

踊るような髪と女神のような端正な顔つきの貴婦人。その周囲を飾るのはまるでカステラー二のような手の込んだ金のフレームです。

通常の19世紀のストーンカメオの枠とは異なった形状、装飾になっています。

カメオを縁取る金綱は6重にもなっています。通常金綱は一本であるのでこれだけ重なると全体で一つの模様のように映ります。また、その間にはフィリグリーと呼ばれる金線の輪を連続して蝋付けした細工が施されています。

フィリグリーは金線をオーブンを使い焼き付けるため、微妙な温度の加減や時間を計算するのが難しく、高度な技術と経験を要する細工でした。温度や時間を誤ると細い金線が溶けてしまうためです。

エトルリアなど古代の装飾品の金細工の復元に取り組んだカステラー二がその第一人者でしたが、こうした無名のものにも素晴らしい細工の物が見られます。

カメオは一本一本の踊るような巻き毛に生命感が宿るようであり、首には真珠と思われるネックレスが飾られています。瞼や眉の部分の骨格や顎のライン、鼻孔の上の鼻の丸み唇の柔らかな膨らみなども写実的に見事に表現しています。また、古代のカメオやインタリオに多く見られるように首より下の胸部はない形になっています。

19世紀後期の貴婦人像をモチーフとした通常のストーンカメオとは一味も二味も違う古典的な風格のあるカメオです。