ムーンストーン・ダブルハートブローチ＆ペンダント 銀座アンティーク・アイ

 二人の愛を結ぶダブルハート

• 商品番号 /B4059X
• 年 代 / 19世紀後期頃
• 国 名 / イギリス
• サ イ ズ / 縦：25mm 横：24.4mm 厚さ：8.6mm（留め具は除き）　　 
• 素 材 / ムーンストーン、ベビーパール、15金

ヴィクトリア時代を代表するモチーフであるダブルハート。二人の愛情の結び付きを表現するモチーフです。

センチメンタルジュエリーにおける愛を伝えるジュエリーの中でも最も人気があるダブルハート。博物館や書籍では見かけることはありますが、19世紀の本物は数が非常に少なくなりました。アクロスティックジュエリーと同様人気のあるダブルハートはリプロダクションも多く、イギリスや日本のアンティークショップでも最近作られたであろうダブルハートを多く目にします。

久し振りに出会ったしっかりとした作りのダブルハートです。他のダブルハートと比べてもムーンストーンのハートはこんもりとした厚みがあり、ハートの丸みが見事に表現されています。また、金の台座は厚みがあり、重厚感が感じれます。

センチメンタルジュエリーの始まりは、メメントモリの流行に起因します。17世紀中頃のチャールズ1世が処刑され、国王の死を悼み、国王をモチーフとしたミニアチュールや国王の遺髪を入れたジュエリーが身に付けられました。ちょうどこの頃、ペストの流行や戦争が続き、人々は死を身近に感じるようになります。そうした中、メメントモリからモーニングジュエリーの流行へと繋がります。同時に宗教的なモチーフのジュエリーも身に付けられました。

時は流れ、故人を慕うジュエリーから家族や恋人への愛を伝えるジュエリーが作られるようになってきます。18世紀末頃からセンチメンタルジュエリーの中でのラヴ・ジュエリーの発展が見られ、ヴィクトリア時代を通して、愛を伝えるジュエリーは人気を博しました。

ハートをモチーフとしたジュエリーの始まりは古く中世まで遡ります。もともとはキリストの愛を示すモチーフであったハート。人々の感情は心臓つまりハートに宿ると信じられていました。そのため、愛情を伝えるシンボルとしてハートはジュエリーに使われていきます。特にヴィクトリア時代には貴方と私の愛情を繋ぐ意味合いでダブルハートが作られました。このブローチの寄り添う二つのハートの上にはリボンが結ばれ、二人の愛が結ばれ離れないことを示しています。

その作りを改めて見てみると、透明感があり厚みのあるムーンストーンはシラー効果があり、石の内部に光りの線が映ります。それはまるで清い魂を宿しているようです。周囲には純白の色の揃った小さな天然真珠がハーフカットされ一つ一つ埋め込まれ爪留めされています。

側面をみると二段になった透かし模様になっており、まるで王冠のように見えます。裏面のリボンの部分の中央には15という刻印が打たれており、15金が使用されていることが判ります。同時にこれによりイギリスの作品であることが判断できます。イギリスでは9金製のものが多くを占めますが、15金はワンランク上の良質なジュエリーに使用されていることが多いです。

状態も非常に良好で、150年程経っているとは想像できないような美しさです。

大きさも程よくどこにでも身に付け易いでしょう。薄手の生地に合わせる際には生地の裏に当て布を一枚することをお勧めします。

時越えて愛を繋ぐ、ダブルハート。見とれてしまう程の魅力のある作品です。