ハドリアヌス帝金貨 銀座アンティーク・アイ

五賢帝の一人であり古代ローマを代表する皇帝であるハドリアヌス帝の金貨

• 商品番号 /CR4002Z
• 年 代 / 紀元後137年頃
  
• 単 位 / アウレリウス金貨 
  
• 重さ / 直径7.35g　
• コンディション / Ch F

ハドリアヌス帝はトラヤヌス帝の従弟の息子で、トラヤヌス帝の下で、秘書や軍団司令官を務め、実績を重ねました。属州シリアの総督などでも経て、対パルティア遠征軍の総司令官に就いている際に、トラヤヌスの死を受け、皇帝に任命されました。

皇帝の地位に就くと、トラヤヌス帝の下ローマの領土が最大化していましたが、メソポタミアやアルメニアを放棄します。これにより、ローマの東の防衛線を確立しました。

二度による帝国各地を長期に回る巡察行により、帝国全土の防衛力強化と安定を確立しました。世界遺産になっているイギリスに残るハドリアヌスの長城は今も私たちが目にすることができるハドリアヌスの偉業の一つです。その他にもローマ市内で今も多くの人が訪れるサンタンジェロ城、トラヤヌスの列柱、ウェヌスとローマ神殿、再建したパンテオンなどの建築物を遺しています。また、ティボリにあるハドリアヌスの別邸（ヴィッラ・アドリアーナ）は当時の美と建築、文化が伝わってくる遺産です。

余談ですが、テルマエ・ロマエに温泉好きのローマ皇帝としても登場しています。ハドリアヌスが製作を命じたレプティス・マグナの浴場は世界遺産の構成資産の一つとなっています。

内政においても、様々な功績を上げ、ローマ帝国がこの後も数百年続く制度を確立した中興の祖といえます。

現代のヨーロッパの法にも連なるローマ法大全は、ハドリアヌスが編纂させた「永久告示禄」がその元なっています。これら法制度の確立や、官僚制度や行政制度を改めて制度化しました。

それにより再びローマは栄えることになります。

そうした偉大なる皇帝ハドリアヌスの貴重な金貨です。

表面はハドリアヌス帝の右向きの横顔、HADRIANVS　AVG　COS　III　PPという銘文があり、ハドリアヌス帝執政官3回目国父という意味です。

裏はSPES P・R という銘文があり、すなわちローマ市民のスペースという意味です。希望の女神スペースは花を差し出し、左手で豊穣の角コルヌ・コピアを持っています。さらに運命を象徴し運命の流れを左右すると云われる球と舵を携えています。同じ姿は19世紀のイギリスのコインにも見られます。小さな花は将来の成長と開花を象徴し、未来への希望を表しています。

スペースはギリシャ神話のエルピスに相当し、パンドラの箱の神話にも登場します。パンドラが箱をを開けると、疫病や戦災、犯罪や貧困など様々な災いを解き放たれます。けれど、最後まで箱に残っていたのは、エルピス=希望であったと云われています。

皇帝は希望を帝国内の人々に広めたかったのでしょう。

貴重なハドリアヌス帝の金貨。今、こうして時代だからこそ、スペースを私達も手にし、未来に花を咲かせる希望を持ちたいです。約1900年、ローマが戦乱と混乱から再び力を取り戻した時代、この金貨を発行したハドリアヌスの想いを私達も受け継ぎ、力をもらいたいと感じます。