エナメルパールブローチ 銀座アンティーク・アイ

グリーンエナメルと天然真珠の優しいコンビネーション

• 商品番号 / B2015W
• 年 代 / 19世紀後期頃
• 国 名 / イギリス
• サ イ ズ / 縦:15.7mm 横:34.5mm 厚み9.6mm（留め具を入れて12.1mm)
• 素 材 / 天然真珠、ダイヤ、エナメル、金

若草を思わせる緑色のエナメルが、眩い輝きを放っているブローチです。

そしてそれを柔らかな光沢の天然真珠がつつみこんでいます。
中心には楕円形の、同じく天然真珠が真珠層の厚みを感じさせる照りを放っています。
その周囲には、小粒のダイヤが星状に取り囲んでいます。

エナメルが、少し傾けてみるとキラキラと輝くのは「ギロッシュ」という技法によるものです。
ギロッシュというのはエナメルの土台の金属に彫りを施し、その上に有色の透明エナメルをかけることによって、エナメルの厚みに差ができ、濃淡を生じさせる技法です。

ギロッシュエナメルでは同心円、放射状、波形などを彫ったものが多いのですが、このブローチにおいては中心に小さく同心円に、その外側は方向を変えて短く、レンガ積みのように互い違いに取り巻いています。

このギロッシュ、旋盤を用いて彫刻されているものが多いですが、このブローチにおいては手で彫られており、そのため2種類の彫りを取り入れることが出来ているのです。また、手彫りならではの温かみも感じられます。

周りのパールもこのジュエリーの温かみに加味しています。
この時代の真珠は全て天然であり、それゆえ巻の数が多くて100年以上たった今でもてり感を失うことなく輝くのです。
玉の大きさと照りが揃えられており時間と手間をかけて集められた宝石であることがうかがえます。

裏側はギロッシュ部分と同様、丁寧に同心円状に模様が施されています。
ジョージアン期のハイジュエリーやヴィクトリアンでも数は少ないですが、良質な作品には、裏側がこうして細工が施されている物があります。
この作品も小振りですが、手の込んだ優れた作品であるため、裏まできれいに仕上げたのでしょう。

中心に開けられた小さな穴は真珠とダイヤのパーツを留めるために開けられたものです。

アーモンド型の外形と中心に配された真珠とダイヤのワンポイント、
じっと見ているとどことなく「目」のようにも見えてきます。

このブローチには、贈った人による
「ずっとあなたを見ています」という意味が込められているのかもしれません。

緑色のエナメルと
小さくも存在感のあるパールは
今のジュエリーにはない輝きです。
さほど大きくはありませんが人目をひくこと間違いないでしょう。

少し重みがあり、裏側に膨らみがあるので、
厚手のしっかりした生地のお洋服に合わせて使っていただくのが良いかと思います。
薄手の物には裏に当て布をし、
一緒にピンをとおしていただくことをお勧めします。

上品なグリーンのエナメルの輝きの中に
天然真珠の暖かい照りが美しく華をそえます。