赤から緑黄色へと移り変わるグラデーションの色彩とアールヌーボーの曲線美の作品
- 商品番号 /FE48Y3335100
- 年 代 / 1900年頃
- 国 名 / イギリス
- サ イ ズ / 縦:21mm 横:31mm 厚さ:4mm(留め具は除き)
- 素 材 / 天然真珠、エナメル、9金
19世紀末から20世紀初頭にかけてイギリスではマッドエナメルを使用した作品が流行しました。このブローチを手に取ると、エナメルが掛けられたアイビーの葉は、緑やピンク色から黄金色に変化します。これは、光を通す半透明のエナメルを使うことより、エナメルの下地の金が薄い色合いのピンクや緑の下で光を反射するためです。エナメルが掛けられたアイビーの葉の金属の台座には葉の脈を表すように彫り込みも入れられていることがわかります。この筋も光が当たると線が伸びゆくように美しさを増してくれます。
アイビー葉の間には天然真珠がセットされ、真珠層の厚みから来る照りがエナメルとの相性が良く、白い花のように添えられています。アイビーの葉には蔓を連想させる曲線を帯びた金線がナイフエッジの形状で伸びています。ナイフエッジとはナイフの刃のような形状で表側が細く繊細で、裏側が幅を持ち強度を持たせた構造のことです。
裏を見るとエナメルを掛けたアイビーはの部分は焼き付けるために別に作られこのナイフエッジの曲線の部分についた筒に芯を合わせて留めていることが解ります。裏面中央には9ctという英国製の9金であることを示す刻印が打たれています。こうしたマッドエナメルには9金の穏やかな金色がよく合うのか、当時の作品には9金を使用しているものが多く感じられます。
全体は扇のような形の中に四つ空間が開いたような形をしており、ミュシャの版画の背景のような美しい曲線となっています。針の受けの形状から通常細くなった部分を上方につけるようですが、上下を逆向けにし、アイビーと真珠が下にに向いた方向でつけても収まりが良いです。
マッドエナメルの作品は人気がありますが、その中でも独特のアールヌーヴォーの形状が美しい作品です。角度が変わるたびに色が浮かび上がるエナメルを身につけお楽しみください。