気品あふれるシェルカメオ。彫りの細密さと肌の滑らかな柔らかさは19世紀のカメオだから
- 商品番号 /C4009V
- 年 代 / 19世紀後期頃
- 国 名 / イタリア
- サ イ ズ / 縦:39.1mm 横:30.2mm 厚さ:8.3mm(留め具を除き)
- 素 材 / サルドニア貝、銀
20年前に比べ、ヨーロッパのマーケットでアンティークのカメオが出てくることが少なくなったというのは全てのディーラーの共通した意見だと思います。
以前は、骨董市や地方のフェアーを回れば必ずシャルカメオの優れた彫りの物に出会うことができました。けれど、最近はニューアークなど地方のフェアーにで出かけてさえ、彫りの素晴らしい、19世紀のカメオ職人に自然に敬意を抱いてしまうようなものには一つも出会わないことが増えてきました。
恣意ていえば現代の職人でも彫れるレベルのカメオは展示されているケースの中にありますが、それに手を伸ばすことはありません。
このカメオは10万円代にも関わらず、19世紀のカメオならではの写実性に富んだ生きた彫りをしています。滑らか頬や首筋などの純白の肌はその柔らかさが伝わってきそうです。波打った髪の毛は一本一本が繊細に彫られ、ふんわりとした質感が感じられます。頭部にはティアラが飾られ、首筋に一粒一粒の真珠がイメージされ彫られたネックレスが伸びています。
衣装は19世紀のドレスになっており、華やかさと気品があります。
フレームはルースのシャルカメオに合わされ後にシルバーで作られたものでしょう。19世紀には多くのカメオがルースの状態でイタリアからイギリスに持ち帰られフレームはイギリスで作られました。その中のいくつかはルースのまま残ったものもあり、このカメオはそうして時を置いてフレームが作られたのでしょう。
状態はヘアーラインと呼ばれる線などもないのですが、敢えて言えば一番上の爪の向かって左側と右下部分の二か所が貝の層の違いで薄い白色になっており、層が重ねっています。
大きさも4cm以下でフレームもシンプルなのでカジュアルにさり気なく使い易いカメオですが、その彫りは一級品の滑らかさと気品が感じられます。
細やかな彫りにより一層その素晴らしい表情が生かされているアンティークカメオです。