バンカンテ・カメオブローチ 銀座アンティーク・アイ

凛とした表情には気品が感じられる使い易いサイズのカメオ。

• 商品番号 /C4008V
• 年 代 / 19世紀後期頃
• 国 名 / イタリア
• サ イ ズ / 縦：38mm 横：32.5mm 厚さ：12.8mm(留め具を除き） 
• 素 材 / コロニアル貝、GP

シャルカメオは1000点以上扱ってきましたがシャルの部分の縦が3.5cm以下の物ではなかなか彫りの素晴らしい物は少ないです。もしあった場合は大抵がもともとブレスレットであった一部をブローチとして後に加工された物が多いです。

そうした中、オリジナルでブローチとして作られた上、シェルの部分の縦が3.48cmとコンパクトな大きさに収まっています。表情は知的な古代ギリシャの美しい女性のようです。

また、頭部には丸みを帯びた葡萄の葉が飾られ、その合間に葡萄の実が覗いています。若干薄いオレンジ色の部分が葉と実の部分に見られ三層彫りになっています。この葡萄からモチーフがバッカスの巫女バカンテと判断できます。

ところどころ貝の凹凸があり、それをうまくモチーフの立体感に生かしています。その凹凸は自然なもので極端ではないのが彫った職人の腕の良さでしょう。

また、背景のオレンジ色の部分は艶があり鏡のように磨き上げられています。ここまで光沢を出すには、手作業で長い時間をかけて様々な研磨を段階的に施さなくてはなりません。現代カメオでは見られないほどの仕上げであり、19世紀のカメオでもレベルの高いものでしか見られません。オレンジ色の微妙なグラデーションには温かみが感じられます。

フレームは二重に捻った綱模様でカメオを生かすものです。金ではありませんが、この時代のシャルカメオでは素晴らしい彫りでもこうしたゴールドプレートやシルバーを合わしたもの多く見られます。

縦が3.8cmなので、中央以外にも様々な幅の襟元にも合わせ易くなっています。

凛とした表情が美しい19世紀のカメオならではの気品のある逸品です。