希少石デマントイドガーネットを使ったブローチ
- 商品番号 /B4038V
- 年 代 / 1900年前後頃
- 国 名 / イギリス
- サ イ ズ / 縦:16.2mm 横:39.1mm 厚さ:11.2mm
- 素 材 / デマントイドガーネット、パール、15金
19世紀末からロシア革命以前の20世紀の初めにはデマントイドガーネットを使ったジュエリーが市場に表れ、人気を博しました。その後、ペレストロイカ以前にはマーケットに出てくることが無く、アンティークジュエリーならではの宝飾品とされていた時代もありました。
デマントイドの分散度はダイアモンドよりも30%も高く、強い光を放ちます。『王様』と呼ばれるこの宝石は、ロシアのウラル山系で1853年頃に初めて発見され、その強い煌きによりオランダ語で『ダイアモンドのよう』という意味で、デマントイドという名が付けられました。
採掘量が非常に少なかったため、ロシアではロマノフ王朝の王族と貴族だけが使うことが許された特別な宝石でした。その後、ロシア革命により王朝が崩壊すると、採掘が途絶えました。
何年もの間、幻の宝石と呼ばれ続けていましたが、90年代後半にナミビアや、ウラル山系にも新たなる鉱山が少量ながらみつかりました。現在では再びウラル山系の鉱山は閉鎖され、その価値は年々増してきています。
この作品は丁度1900年前後にイギリスで作られた作品です。当時の美術様式であるアールヌーヴォーを感じさせる植物の蔓が曲線を帯びたデザインとなっています。台座は裏に15ctという刻印があり15金が使われています。
このブローチは型抜きなどではなく職人が金の板を八の字のように折り曲げ製作していったことが裏からみるとより分かります。裏面中央には小さな輪が付いていますが、これはストッパー用のチェーンを留めるための輪でしょう。現在ではシリコンストッパーを付けていただければ落下の心配が無くご使用いただけます。
弦の部分は表から見ると非常に細い線で作られれいる様に映ります。しかし、裏側は強度を確保するために少し太くなった構造になっています。これはナイフエッジと呼ばれる作りで1900年前後のジュエリーに多く見られる技法です。
中央にセットされているデマントイドガーネットはルーペで覗くとインクルージョンもありますが、やはり、ペリドットなどとは違う存在感のある蛍光発色的な存在感のある緑の色合いが目を惹きます。
ハーフカットされたパールは覆輪留めされている一つを除き、すり鉢状に彫り込まれた台座に埋め込まれ爪留めされています。真珠の状態も良く天然真珠ならではの厚みから生まれる照りがあります。
希少石デマントイドガーネットを使用しているにもかかわらず、お値段も本体価格で138,000円とかなり安く提供することができました。
大きさも程よく、角度を選ばずに使えるデザインとなっています。