土星の守護神であるサターンとディオニュソスの従者で自然の豊穣の化身であるサテュロスをモチーフした大変珍しいカメオ。
- 商品番号 /C4007V
- 年 代 / 19世紀後期頃
- 国 名 / イタリア
- サ イ ズ / 縦:44.5mm 横:62.6mm 厚さ:12.9mm(留め具を除き)
- 素 材 / コロニアル貝、銀
サターンはローマ神話の農耕神サートゥルヌスの英語での呼び方です。時を司る神としての一面もあります。ギリシャ神話のクロノスとも同一視されています。
天体はギリシャ神話の神々の名がつけられています。例えば火星はマーズ(マルス)であり、彗星はマーキュリー(ヘルメス)、木星はジュピター(ゼウス)、金星はヴィーナス(アフロディーテ)そして、土星がサターンです。数は少ないのですがアポロンを含め一週間の天体の神々を並べたカメオでサターンがモチーフとなったものは扱ったことがありましたが、こうした単独でのモチーフはこの作品が初めてです。
クロノスの面から見ると、ティーターン族の長であり、二番目に全宇宙を統治した神々の王でした。ハーデス、ポセイドン、ゼウス、ヘラ、ヘスティア、デメテルなどギリシャ神話の主要な神々の父です。ギリシャ神話の大地と農耕の神であり、手には万物を切り裂くというアダマスの鎌を持っています。
彼が乗る車を引くのはサテュロスで半身半獣の姿が特徴です。上半身は人で下半身は山羊の姿になっています。彫りは細かく三人の神の顔も髭や髪の毛まで細やかに彫られています。サターンの姿には威厳と力強さがあり、サテュロスはその性格までも伝わるように見事に彫られています。今にでも貝の中から飛び出してこちらに動いてきそうです。
フレームは銀を手彫りで透かし、その表面にも模様を彫り込んだ風格の感じられるものです。サターンという神に相応しい雰囲気のある重厚なフレームです。
裏面をみると針に刻印があります。途中で途切れていますが、恐らく800というシルバーの純度を示す刻印かと思います。留め具はテッポウ式のストッパーが付いています。
今まで私も数多くのカメオを扱ってきましたが初めて見たモチーフのカメオです。
様々な神々のカメオを集めていられるコレクターの方はもちろん、力強いカメオが欲しい方、女性をモチーフとしたカメオとはまた異なったモチーフを探していた方などにもお勧めしたい希少なカメオです。