オリジナルボックスに収納された眩い輝きの逸品
- 商品番号 /B4080Z
- 年 代 / 1925年頃
- 国 名 / イギリス
- サ イ ズ / 縦:10mm 横:45.6mm 厚さ:3.8mm(留め具は除き)
- 素 材 / サファイア、ダイアモンド、プラチナ
透明感と濃さを合わせ持ったサファイアがカリブレカットで隙間なく見事に嵌め込まれており、斜めに走る青の帯となっています。また、眩い輝きのオールドヨーロピアンカットのダイアモンドがぎっしりとプラチナの台座に敷き詰められています。恐らくリボンをアールデコらしくすっきりとデフォルメし表現したデザインでしょう。
サフィアは平面に並べセットしているわけではなく。微妙にカーブを帯びてセットされており、より難しいセッティングになっています。ブローチ全体も平らではなく、中央に向かい左右上下どちらからもゆっくりと膨らみのある曲線を帯びています。
良質な作品と判断するにはいくつかの見方があります。そのうちの一つとして宝石を使用したジュエリーでは、金属の表面に対し、いかに、宝石を隙間なく埋め込んでいくか、ということがあります。
このブローチをルーペでおって見ていくとプラチナの台座の幅が変わることに合わせて、ダイアモンドのサイズが少しずつ変化しています。どのダイアモンドも上下のプラチナの溝にぎりぎりまで迫ってセットされています。それぞれは台座に穴を開ける際に彫り起こされた爪で四点から留められています。
次に、良質なジュエリーの判断として裏側がいかに作られているかということが挙げられます。このブローチの裏側をみると、ダイアモンドがセットされた部分は円から四角へと穴が広がるように開けられています。これはガードルが丸いダイアモンドが抜け落ちないように支えながらも、光が最大に抜けるように台座の穴を四角しているのです。ハンドカットで開けられたこうした裏側の作りをみると、作品の善し悪しが良く判ります。
また、カリブレカットのサファイアの部分はサファイアの形も四角いため、石が抜け落ちないように微妙に角度が付けられ裏面が微妙に穴が大きくなっています。
こうして隙間なく宝石をセットし、裏側を丁寧にハンドカットで開けることにより、ブローチ全体が最大限に輝く効果があります。
このブローチもその皮張りのオリジナルボックスを開けた瞬間に眩いきらめきが私の目に入ってきました。
このサイズでここまで丁寧に作られているブローチは少ないです。
尚、留め具はテッポウ式のストッパーが付いたものであり、安心して使用していただけます。また、追加でシリコンストッパーもお付けいたします。受けの先端は花模様になっています。
オールドヨーロピアンのダイアモンドが使用されていること、カリブレカットが使われていること、オールプラチナで作られていること、まさにアールデコ期のスッキリとしたデザインであること、それらを考慮すると、1925年頃の作品だと思われます。
箱の内蓋にはロンドンのオックスフォードストリートにあった王室御用達宝石商のマークが入れられています。当時の一級品のエレガントなブローチです。大きさも横幅が45.6mmと収まりが良いサイズであり、どこにでも付け易いものです。